子どもの円形脱毛症とは

円形脱毛症の患者の約4分の1は、15歳以下の子どもだといわれています。子どもの円形脱毛症は治りにくいことが多いようですが、焦らずに治療を続けましょう。また、頭髪が抜けるということで、精神的なショックも多くなります。家族や学校など、周りの理解、温かい目が必要です。

また、必要に応じて子ども用のウィッグなどを活用し、精神的な負担を軽くすることもストレス軽減につながります。

 

一般的に、単発型は治りやすく、1年以内の改善率は約80%です。一方で多発型、蛇行型、全頭型、汎発型などの重い症状では、現状維持か、悪化しているケースが約6割を占めており、治癒にも10年以上かかるケースもまれにあります。そのために、親子が力を合わせた根気強い対応が必要です。

 

子どもの円形脱毛症は、ストレスを起因とする場合があるため、病院での治療に加え、ストレスの原因を取り除くことも大切です。ストレスの原因が明確な場合は、親子でじっくり話し合い解決方法を模索することができます。

しかし、自分の気持ちをうまく表現できない幼児期の子どもは、ストレスの原因が探りにくい場合があります。

また、親に心配をかけないよう、「良い子」を演じてしまう場合もあります。

円形脱毛症を発症することにより、いじめられたりからかわれたりして新たなストレスを抱える場合もあります。その対応法としては、脱毛斑が隠れるように髪形を変えたり、女の子であればピンで髪を止めることにより隠す方法もあります。また、脱毛斑が大きくなれば子ども用のウィッグを使うことも考えましょう。もし本人が嫌がる場合は押し付けたりせずに、どのようにしたいのか親子でじっくり話し合う必要があります。

 

 

子どもの円形脱毛症は、お母さんが自責の念や将来の不安から、神経過敏になるケースも見受けられます。ついつい過保護になる、症状をかばうなどの傾向が強くなり、子どもに影響されてお母さんもストレスが多くなりがちです。このような場合にはお父さんが積極的に治療に参加し、悩んでいるお母さんと子どもの逃げ場を用意してあげましょう。

親子の対話をできるだけ増やし、こころのゆとりを取り戻すきっかけを作っていきましょう。加えて、子どもへの過保護な扱いをやめて特別扱いしないで普通に接することは、子どもの心の安定につながっていきます。

また、脱毛により「外見の変化(脱毛すること)が、人としての価値を下げることはない」ことを繰り返し伝えるなど、子どもが精神的に立ち直る手助けをしましょう。

 

※よく似た症状「抜毛症」と混同しない

抜毛症とは、自分で頭髪を抜いてしまう疾患です。一般的に、人間関係で悩みを持つおとなしい性格の子や思春期の年代に多く発生するといわれています。

抜毛症は時に、円形脱毛症と症状が似ていることがあり、混同されることもあります。その見分け方としては、抜毛症は脱毛斑の境界があいまいだったり、毛が途中でちぎれていたり、利き手側に脱毛斑が集中しているなどの特徴があります。

円形脱毛症の鍼灸治療

髪のトラブルを解消するためには、頭皮の状態を整えることが大切です。

頭皮に刺さない鍼を使って刺激を入れることで頭皮の血流を促し、皮脂や老廃物を排出し、頭皮を正常な状態へと戻します。また、鍼灸治療で毛包の周囲の毛細血管の数を増やし、末梢血管の循環を促し、毛球細胞の分裂活動を増加させることにより毛根に栄養を行き渡らせ、円形脱毛の回復、頭皮の状態が修復され、育毛・発毛を促進します。