顎関節症とは
このような症状はありませんか?
✅顎が思い通りに動かない
✅顎の辺りがいつも痛い
✅口の開閉で痛みがある
✅口の開閉時に音がする
✅噛み合わせに違和感がある
✅食べ物が噛みにくい
✅大きく口を開けられない
口を開けると顎が痛い、カクカク音がする、このような症状のある方は顎関節症かもしれません。
顎関節症と聞くと、顎関節に異常が起きていると想像されるかもしれませんが、顎関節症にもさまざまなタイプがあります。
①筋肉痛タイプ
側頭筋や咬筋という、口を動かしたり咀嚼したりするのに重要な筋肉に炎症が起きる顎関節症です。
・我慢すれば口は開けられるが、口を開けたときに痛む
・片頭痛がする、頬がだるい、重い、頬が腫れぼったい、顔が歪む
などの症状があるとこのタイプかもしれません。
②ねんざタイプ
関節には、骨のほかに軟骨や靭帯、関節包といった組織があります。そうした組織に無理な力がかかって傷んでしまうのがこのねんざタイプです。筋肉痛タイプと同じように我慢すれば口は開けられるが、口を開けると痛いといった症状が現れます。ただ、筋肉痛タイプと大きく違うのは、関節の炎症が起きて痛みが出ている間は顎を安静に休める必要があるところです。無理に動かすと炎症が増し、関節の動く範囲が小さくなってしまいます。
③クッションのずれタイプ
正常な顎関節では、口を開ける動作に応じて、下顎頭の上に関節炎版というクッションの役割をもつ組織が乗っています。ところが、このクッションがずれてしまうと、
・口を開けるとポキポキ、カクカク鳴る
・口を開けようとしても、引っ掛かったように開けられない、大きく開けようとすると痛い
音が鳴るだけであれば経過観察をすることも多いですが、引っ掛かりが起きている場合は、骨の変形に移行することもあります。
④骨の変形タイプ
関節円板が前にずれ、さらに加齢などにより軟骨が薄くなると、下顎頭とその上下の下顎窩が直接当たるようになり、やがて骨が変形していく変形性顎関節症を引き起こします。関節円板が前にずれているので、口を開けるときに引っ掛かりや痛みがあります。また、下顎頭と下顎窩がこすれて、ザラザラとした音が鳴ることもああります。軟骨は女性ホルモンの影響を受けるため、ホルモン量が低下する中高年の方によく見られます。
顎関節症の原因
顎関節の原因は、歯ぎしり・食いしばりなどの噛み合わせの癖、猫背や頬杖などの全身的な姿勢、精神的なストレスなど、非常に多岐にわたります。
〇歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは歯だけでなく、顎の筋肉と関節にも大きな負担をかけます。筋肉にとっては休息のない過度な筋トレを、関節にとっては人を背負った膝関節のように負荷をかけ続けてしまいます。
〇ストレス
ストレスは筋肉の緊張をまねき、TCHや歯ぎしり・食いしばりにつながります。少しでもストレスを軽減するために運動や趣味などでストレスを軽減、発散させる習慣を見つけましょう。
〇TCH(歯列接触癖)
人間はものを噛むとき以外、上下の歯の間はわずかに開いているのが普通です。しかし、無意識のうちに上下の歯を噛み合わせているのが癖になっている人もいます。これをTCH(歯列接触癖)といい、あごの筋肉の疲労や関節への過剰な負担の原因となります。TCHは顎関節症の方の8割近くにあると言われています。TCHは無意識の習慣ですので、治すのはなかなか難しいです。まずは自分にTCHがあるか確認し、上下の歯が当たっているのであれば、意識的に離すようにしましょう。
〇楽器演奏や激しい運動
楽器の種類によっては、演奏が顎関節に負担をかけることもあります。バイオリンは演奏時に顎で楽器を挟むので、負担がかかります。吹奏楽器も、顎関節の弱い方向に力をかけるため、負担となります。また、激しい運動でも歯を食いしばってしまいますので、マウスピースをするなどの予防も必要です。
〇猫背などの前傾姿勢
下顎は頭の骨と筋肉にぶら下がっており、ふりこのように自然にバランスが取れる位置に収まります。姿勢が悪いと、下顎は本来の位置とは違うところにぶら下がるようになり、顎関節への負担となります。
近年では、テレビゲームやスマートフォンなどを使用するときの前傾姿勢が問題視されています。仕事でパソコン作業が多い方も注意が必要です。
また、枕が顎に当たるうつぶせ寝や横寝、頬杖なども顎に負担をかけてしまいます。このような、ついつい習慣になっている悪い癖も原因の一つにつながります。
鍼灸治療では、首や頭部のこり、顎関節の周囲の筋肉の緊張を緩和し噛みしめや歯ぎしり、顎関節の症状を緩和していきます。
顎関節症でお困りの方は一度鍼灸治療を検討してみてはいかがでしょうか?