生理不順とは

生理は、卵巣ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンと黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンによってコントロールされています。女性ホルモンの分泌は、脳(視床下部・下垂体)ー卵巣ー子宮といった器官が連携して行っており、このいずれかに異常が起こるとホルモンバランスが崩れ生理周期が乱れます。

正常な月経周期(生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数)は25～28日程度で１週間程度のずれはほとんど問題なく、この範囲よりも短くなったり長くなったりする状態を一般に「生理不順」や「月経不順」と呼ばれています。

生理不順にはさまざまなタイプがあります。

・無月経…妊娠以外で生理が3ヶ月以上こない

・稀発月経…周期が2‐3ヶ月と長い

・頻発月経…期間が短く月に2‐3回も生理がある

生理不順が続く場合には卵巣機能やホルモンの異常が疑われ、将来的な不妊の原因や子宮体がんのリスク増加といった問題以外に、じつは病気が隠れていることもあります。

生理不順の原因

〇年齢によるもの

10代はからだがまだ成熟していないため、生理が不安定な時期です。20歳前半になると生理周期が規則的になっていきます。

閉経が近づき卵巣機能が低下してくると女性ホルモンが減少して生理不順が起こることがあります。

〇過度なダイエット、激しすぎるスポーツ

身体は栄養不足の状態や疲労に陥ると、生命維持を優先し脳が妊娠しないように判断して妊娠のための師雲を止めてしまうために生理不順が起こります。

〇肥満

排卵がうまくいかずに生理不順につながる場合があります。

〇過度なストレス、疲労、環境変化

脳にある視床下部にはストレスの影響を受けやすい器官です。職場や家庭での環境変化や人間関係など強いストレスを感じると、視床下部の働きが乱され、ホルモンバランスが崩れて生理不順になることがあります。

〇多のう胞性卵巣症候群(PCOS)

ホルモンバランスの異常により排卵しにくい病気です。

不妊症の原因のひとつともいわれています。

〇高プロラクチン血症

プロラクチンは脳から分泌されるホルモンで、母乳の分泌を促す働きがあります。出産後に分泌されるこのホルモンは排卵しないようにする働きがあります。妊娠も出産もしていないときに様々な原因によりプロラクチンが過剰に分泌されることがあります。

〇甲状腺の病気

バセドウ病や橋本病など、甲状腺の病気が原因のことがあります。甲状腺疾患は20～40歳くらいの女性に多く、流産や不妊症の原因になる可能性もあります。

〇早期卵巣機能不全

40歳より前に卵巣機能が低下して生理が来なくなることをいいます。今まで来ていた生理が3ヶ月以上来なくなり、また女性ホルモンが少ない状態が続くことにより更年期障害なども現れる場合があります。

生理不順は自律神経との関連が深い症状です。自律神経のバランスを整えること、体質改善・体の冷えをとることで、生理不順の症状が緩和されやすくなります。

生理不順の症状でお困りの方は一度鍼灸治療を検討してみてはいかがでしょうか？